例えば君がバラの花を好きで、
あたしがチューリップだとしても、
あたしはチューリップでいたい。
今はそう思う。

かつてあたしは、
君が好きなバラの花になろうと努力した。
だけど、バラの花のようにふるまったとしても、
あたしはバラじゃなく、チューリップ。
そして君はバラになろうと努力するあたしから
興味をなくしていく。

君がバラの花を愛する人だとしても、
チューリップに興味を持っていた。
それなのにあたしはバラでもチューリップでもない
中途半端な花になってしまった。

君が気付かせてくれた事。
何も語らないその口。
あたしを見ないその目。
君がチューリップを忘れた頃に
あたしは気付いたんだ。
チューリップはチューリップなんだって事。

再びチューリップとして君の目にとまったとき、
君があたしを認めてくれた気がした。

君に愛されるバラの花ではないけれど、
君はあたしを見てくれた。

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