―ジャマイカ―
君がいつか必ず行くと言っていた国。

街を歩いているときに
偶然みつけたパンフレット。
「ジャマイカクルーズ」

あたしは一気に過去に引き戻されました。

「いっしょに行こうか?」
いつもの口調で君はそう言ったね。

もちろん。
わかってたよ、冗談だってこと。

だけど。
いつか、いっしょに行けたらいいなって。
君といっしょだったら、
どこへでも行けた気がするんだ。


そしてあたしは現実を知る。

それがもう過去のことなんだって。

いつもそう。
過去をひきづってる。


「いっしょに行こうか?」
と言われて、
「うん」
と答えた。

「本当かー?」
って君は笑っていたけど、
あたしの言葉に嘘はなかったよ。

希望、だったんだよ。


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